ラブ×コントロール


カイがそう言いかけたその時、
突然、強い風が吹いた。


「ったぁ―、目に砂入ったかも…」


「えっ?マジかよ?」


「うん…」


私が手で目を押さえていると、カイが突然私の手を顔からずらした。


「見してみ?」


「えっ…」


そう言うと、私の顔にカイの手が近づいてきて、目の下の皮膚を触る。


ちっ…近いっ。


そしてカイは目の中を見ようとしたのか、私の顔を覗き込んできた。


…ちょっ…ちょっと…


ダメ…もうムリ!


限界になった私が立ち上がる。


「私、あっちの水道で洗ってくるっ!」


「おいっ」


公衆トイレにあった水道で目を洗い終えると、私は少し落ち着いた。


た…耐えられなかった。


近すぎて、とても…カイの目を見てられなかった。


意識しすぎだよ、私。
あれぐらい平気なのに…逃げてきちゃった、どうしよう。



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