ラブ×コントロール
カイに着いて行き着いた場所は、緑に囲まれた運動公園の中のグラウンドだった。
「……ここって?」
「俺の地元で、俺が初めてピッチャーで投げた場所っ」
「えっ?そうなの?」
私はグラウンドに目をやる。
へぇ―…ここでカイが投げはじめたんだ…ここから始まったんだな、カイの野球人生。
「けっこういい所だね?何かこういうとこもいいね、落ち着く」
「だろっ?」
あっ…
またやられた、カイの笑顔に…でも何か嬉しそう。
そうだ、カイに似合うのは海じゃない、やっぱりグラウンドだなぁ。
私が目を奪われたのは、グラウンドのマウンドで投げてるカイの姿だったから。
そして、私達はグラウンド前の階段に座る。
「でも、どうして私に教えてくれたの?」
「それは…ここをおまえに知って欲しかったから」
「えっ?」