ラブ×コントロール
「どうしたの?咲原さんが僕を探してくれるなんて嬉しいよっ」
「うん…あのね?水内くん、こないだのプレゼントのお返しにこれ…」
「えっ?僕に?」
私がチョコを渡すと、水内くんは驚いた顔をした。
「あっでも…深い意味はないのっ、たいしたもんじゃないし…」
「ありがとう、すごく嬉しいよ、けどそっかぁ…“深い意味はない”のかぁ~ちょっと残念だなぁ」
「あっ…ゴメンね?」
「うそうそっ、謝る必要ないよ、嬉しくてつい調子に乗っただけだよ」
「水内くん…」
そう笑顔で返してくる水内くんに、私は上手く喋れなかった。
すると水内くんは、笑顔を浮かべたまま口を開く。
「あげた?本道には」
「あげてないよ?」
「そうなの?あげないの?それとも…あげられないの?」
「えっ…」
「いや…何でもないよっ、美味しく頂くよ、ありがとう」