ラブ×コントロール
春の実り
春―。
三年生になって間もなく、絵美と廊下を歩いていると、新入生の女の子に声をかけられる。
「咲原先輩っ、本道先輩の彼女って本当ですか~?」
「えっ!?彼女?そんなんじゃないけどっ」
いつの間に付き合ってる事にっ!?
「良かったぁ~それじゃぁ失礼しますっ」
そう言って女の子は走って行った。
「ちょっと絵美、いつの間に私とカイが付き合ってる事になってんのよっ?」
「知らないわよ、はたから見たらそう見えるんでしょ?噂はどんどん大きくなってくものよっ」
「そんなバカな…」
「もういいじゃん、噂を本当にしちゃえばいいのよっ」
「あのねっ、そんなわけないでしょ」
「煮え切らないなぁ~宇美は…まぁいいや、実は私から一つ発表なんだけど」
「何?」
「私決めたよ、幹野くんに告白することにした」
「えっ?…本当?」