ラブ×コントロール
次の日。
登校すると、校門前に絵美の姿が見えて駆け寄った。
「絵美おはよっ、どうしたの?」
「おはよ…宇美」
絵美は少し元気のないように見えた。
「もしかして…昨日言ったの?」
「うん……ダメかもしれない私」
「ダメって?」
「実は“今すぐ返事出来ない”って言われたの…」
「そうなんだ…けど、それって幹野くんすごく悩んでるんじゃ?絵美のこと」
「うん、だったらいいんだけど…やっぱりタイミング悪かったのかな?幹野くんにとっては野球が今一番大切なのに…」
「絵美…上手く言えないけど、幹野くんならちゃんと答えてくれるよ」
「うん…そうだよね」
薄ら笑みを浮かべると、絵美と私は教室へ向かった。
幹野くん、迷ってるって言ってたしな…この間も。
やっぱり、難しいのかな?
絵美は今日から部活を見に行かないと言っていた。
久々に絵美と二人で帰れるのは嬉しいけど、私はどこか複雑な気持ちだった。