ラブ×コントロール
彼の告白
そして春が過ぎ、
もうすぐ6月に入ろうとしていた。
私は一人、屋上でカイの事を考えていた。
アイツの印象は最悪で、なれなれしくて、口を開けばケンカばかり…。
…でも……
どっか気にしてくれて、優しくて、そして野球をしてる時の真剣な顔のカイはちょっとカッコ良くて…。
…私…
「はぁ―…何してんだろ?雨降りそう…帰ろう」
屋上から教室へ戻ろうとすると、階段下で水内くんが電話で話している声が聞こえた。
「だから、るりゴメンな?夜ご飯の分も作っておいたから、それ食べてまりと一緒に待っててな?お兄ちゃん学校で委員の仕事があるからって言ったろ?…うん…なるべく早く帰るよ、じゃあね?るり」
すると、私は電話を切った水内くんと目が合ってしまう。
「あっゴメンね?聞くつもりはなかったんだけど…」
「いいよ…気にしないで?るり達もう帰ってるんだ、けど僕は今日から1ヶ月委員会の仕事でいつもより帰りが遅くなりそうで、夕飯も朝作ってきてるんだよ」