ラブ×コントロール
「そうなんだ…」
やっぱり知ってるんだね。
何となく…少しカイとの間に距離を感じたから。
軽蔑したかな?
それとも…あきれた?
「アイツ…分かりやすいワガママエースなんだけど、今回は何も変わらないんだ」
「だから…カイは私の事は別に気にしてないって」
「俺にはそう思えないんだよな?何か感情を必死に抑えこんで、野球に集中しようとしてる気がする、だから俺には無理して……」
「…一平くんっ」
まだ言葉を続けそうな一平くんの言葉を、私は遮った。
「私…それでいいと思う」
「えっ?」
「私アイツの事は応援してる、それは約束したの、だからカイには野球に集中してほしい、今年の夏が最後でしょ?甲子園へ行く…」
「あぁ、まぁ…」
「うん、じゃあ私行くね?」
「咲原っ…本当にそれでいいのか?」