ラブ×コントロール


「すみません、俺はこれで…」


すると突然、カイはそう言って家から離れ歩いて行った。


…カイ?


私はカイを追いかけた。


「ちょっ…カイ!」


私が声をかけると、カイは背中を向けたまま立ち止まった。


「あのさ、今日はありがと…」


「あぁ…」


カイ…?


カイはまだ背中を向けたままだった。


「おまえさっ」


「えっ?」


「“ただのクラスメイト”なのか?…俺は」


「えっ?だって…」


カイの問いかけに、私は言葉に詰まる。
すると、カイは振り向いた。


「俺は…おまえのこと“ただのクラスメイト”だなんて、思ってねーよ」


「……それって?」


「とにかく今日は早めに休め、じゃあなっ」


「…うん」


アイツ…またあんな事言う。


アイツが時々あんな言葉言うから、私の気持ちがいつもぐらついて…。



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