ラブ×コントロール


「お兄ちゃんいつも、るりとまりのために頑張ってくれるけど…るりもこれからはお兄ちゃんのために頑張りたいのっ」


「るりちゃん……うん偉いね、お兄ちゃんが大好きなんだね?」


「うんっ、大好き!」


るりちゃんは満面の笑みでそう答えた。


水内くんも、るりちゃんも本当に優しい思い合える兄妹なんだな…。


「お姉ちゃんも、いつもお兄ちゃんとるり達のために頑張ってくれたから、だから今度はお姉ちゃんも頑張ってね!るりも頑張るからっ」


「るりちゃん…うん」


“今度はお姉ちゃんも頑張って”か…


そして、その後水内くんが帰ってきたけど、私は何を話したらいいか分からず、すぐに水内家を出てきてしまった。


帰り道、るりちゃんの“頑張って”の言葉を思い出す。


誰のために?



誰のため……



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