ラブ×コントロール


私は、絵美の言葉の“応援”に引っ掛かり聞き返した。


「えっ?“誰か”って本道でしょ?」


「なっ…!?誰もそんな事言ってないわよっ!」


「またまたぁ~いつまで持つかね~そのテンション」


「絵美…最近ちょっと私にキツくない?」


私がちょっと引いた目で言うと、絵美は笑顔のまま口を開いた。


「そんな事ないよっ、宇美にはちゃんと幸せになってほしいのっ」


まったく…本当にそう思ってるのか、面白がってるのか分かんない子だ。


絵美とそんなやり取りをしていると、野球部の練習が終わりを告げる声が聞こえた。



しばらくして、制服に着替えた幹野くんがこっちに向かってきて絵美が笑顔で駆け寄る。


「幹野く~ん!お疲れ~ちょっと待ってて、今冷たいジュース買ってくるからっ」


「あっ、いいよ絵美ちゃん」


「いいの大丈夫、行ってきまーす」


「あ~行っちゃったな」


張り切ってジュースを買いに行ってしまった絵美を見ながら、幹野くんは頭をかいていた。


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