ラブ×コントロール
「あ―うん…」
そんな気のない返事を返していると、絵美が戻ってきて私は二人にしてあげようと、その場から離れた。
ふふっ、上手く行ってるみたいで本当に良かった。
二人が歩いてく姿を私は見つめていた。
さっ、帰ろ。
そう思ってグラウンドを横切ろうとすると、
「姫っ、帰んの?」
「えっ!?」
“姫”って…
振り向くと、
「一平くん!ビックリしたぁ~っていうかその呼び名やめて―」
「悪い悪い、ちょっと言って見たくなった」
「もうっ」
「帰んの?王子なら監督につかまってるけどな」
「いやいや、王子なんて待ってないし…っていうかあんなヤツ王子じゃないし!」
すると、笑ってる一平くんの後ろからカイが近づいてきた。
「お―すっ、王子の登場だぞ、何してんだおまえら?」
「なっ…!?誰もあんたの事王子だなんて言ってないわよっ!」
「言ってたじゃんかよ―」