ラブ×コントロール
「おーいっ、次で最後だぞ~?」
カイの言葉に私は唇をつむんだ。
やっぱり…無理なのかな。
そんな言葉が頭をよぎると、
「咲原、もう少しバット短く持った方がいいよ」
「えっ?うん…分かったっ」
一平くんのアドバイスを聞き、バットを短く持ち直して再び私は構えた。
そして三球目
ボールをよく見て、私は思い切りバットを振ったっ…!
すると、
カキーンッ!!
えっ!?当たった?
けど、ボールの先を見るとファウルだった。
「はぁ…ファウルか」
カイもボールの行方を見ながら言ってきた。
「おい…マジかよ?」
そして、再び気を引き締めて4球目。
―バンッ…!!
明らかにさっきより速いストレートが投げ込まれ、私は空振りをした。
はぁ…っ…
ホームベースにバットを置くと、私はしゃがみ込む。
自分の挑戦が無謀だった事に、ようやく気づいた私は、ふっ…と笑った。
当たり前か……