ラブ×コントロール
―放課後。
どうやら野球部は帰ってきてるみたいだけど、すぐにグラウンドに戻ったらしい。
勝ったのかな?
勝ったよね?
そして私はカイ達に渡すノートをコピーする為、職員室へ向かおうと教室を出た。
そうだ!先生に聞いてみよう、うんっ。
すると角を曲がった所で、誰かとぶつかる。
「ごめ…あっ…水内くん?」
「あ~咲原さん、今帰る所?」
「うん職員室寄ってから…水内くんは図書館でも寄ってたの?」
「まぁね」
水内くんはいつもの様に、私に爽やかな笑顔を向けながらそう言ってきた。
「あっ、そういえば勝ったみたいだよ?一回戦」
「えっ!?本当に!?」
その瞬間、私は思わず笑顔で大声をあげた様な気がした。
見ると、水内くんは驚いた顔をしている。
「あっ…ごめ…ん」
「いや…良かったね?」
「うん…」
すると、水内くんは少しうつむきながら口を開いた。
「僕は…君をそんな笑顔にさせられないのかな?」
「えっ?」
「いや…気にしなくていいよ、それじゃ僕は帰るね?」