ラブ×コントロール
そして一球目を投げる時、カイは思った。
そういう事か…水内のヤツ…。
そして、構えて投げ出す。
―バンッ!
「ストライク!」
モヤモヤした気持ちを抱えつつも、試合は進んで行く。
そして同じ頃、
日曜日の晴れた公園に、私は向かった。
噴水の前で立っている水内くんを見つけて、私は近づいていくと、水内くんも私に気づいた。
「………!咲原さんっ」
私を見て、少しだけ水内くんは笑みを浮かべた。
……けど、私の髪に、自分のあげた髪止めがなかった事に水内くんはきっと気づいてると思う。
そのまま薄ら笑顔を浮かべたまま、私を見つめてくる。
噴水前に向かい合って立つと、
私は意を決して口を開いた。
「水内くん…私、水内くんにちゃんと話しておきたい事があるの、水内くんに告白された日からずっと考えてた…もっと早く言うべきだったかもしれない」