ラブ×コントロール
私は少し震える胸を押さえながら、水内くんの目を見て続けた。
「今日はちゃんと言いたくて、だから髪止めをつけずにここに来たの」
すると水内くんは、目を少し細くして私の言葉にうなづいた。
「うん分かった、ちゃんと聞くよ」
はぁ―…
心の中で私は呼吸を整える。
「私…水内くんの事は好き、けど……私には一番に好きな人がいるの、ずっと…」
「うん…」
私の言葉に水内くんは即答した。
やっぱり…知ってたんだね?
私はゆっくり続けた。
「水内くん、こんな私を好きって言ってくれて嬉しかった、本当にありがとう…」
私は水内くんに少し頭を下げてそう言った。
「咲原さん、僕に頭なんか下げなくていいよ…僕こそ一緒にいてくれて嬉しかったよ、僕の事助けてくれて嬉しかった…君には感謝でいっぱいだよ」
「水内くん…私こそありがとう」
水内くんは私の目を真っ直ぐに見て、そう言ってくれた。
なのに…私はうつむいてしまった。
どうしよう…目が潤んできた。