ラブ×コントロール


「しょーがねーだろっ?」


そう言ってカイはグラウンドへ戻ろうと、私に背を向けたけど、もう一度私に振り返った。


「あっ宇美、見てろよ!絶対勝つからっ」


「………っ」


私の胸はカイの無邪気な笑顔と、言葉にドキンッとしてしまった。


おかげで何も言えなかった。


カイはギャラリーが来る前に、足早に周り道でグラウンドへ戻った。


まったく…ムカつく事言ったり、そうじゃない事言ったり…振り回されてる私。


でもこうして話してたら、全然遠くに感じないのに、


試合の時のカイには、少し距離を感じるのは何でだろう……。



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