ラブ×コントロール
「はいはい」
絵美の言葉にそう答えると、私はバッターボックスに入るカイを見る。
「ストライク!」
そしてカイは4球目を打った。
カキーンッ!
カイの打った球はセンター前ヒットになる。
「キャー!」
スタンドはカイのヒットで再び盛り上がる。
続いて桜川は次のバッターを送りバントにすると、カイは二塁へ進む事に成功する。
すると水内くんが口を開く。
「そういえば本道はピッチャーでしょ?代走は出さないのかな?」
「やっぱりエースのカイを代えるのは…それにアイツ足も早いしね」
私がそう言うと、水内くんはニコッとした。
「へぇ~さすがだね?」
「さすがだねっ」
絵美からも同じ言葉が飛び、私は二人からからかわれる状態になった。
「いや、そんなんじゃ…」
でも…普通に見てれば分かる事だから。
…っていうか、じゃあやっぱり私はカイの事をよく見てる事になるな…。