ラブ×コントロール
「俺の肩には、皆の思いが乗ってると思うと、ガラにもなく不安になった…」
「カイ…」
やっぱり不安に思ってたんだね…。
「それに…おまえに対しても、そうだったかも」
「えっ?」
そう言うとカイは、優しく私の頭をなでてきた。
そんなカイに私はまたドキッとしてしまう。
「明日…必ず勝つよ」
「うんっ」
「勝って、約束通りおまえにウイニングボール渡すから」
「うん…」
「だから…明日…」
「えっ?」
カイはそう言いかけると、私の目を見て真剣な顔で口を開いた。
「明日……決勝戦が終わったら、おまえに話したい事がある」
「えっ?…明日…」
話したい事…?
「立てるか?駅まで送る」
「うん…」
カイが立ち上がり、私も地面に手をつきながらも立とうとするけど、
「あれ…?本当に腰抜けたかも…」
「はぁ~!?マジかよ、ったく…世話のかかるヤツ」
そう言うとカイは、頭をかきながら私の前でおんぶの構えをしてしゃがみ込んだ。