ラブ×コントロール
「水内くん…」
「僕等は信じて応援するしかないね?」
「うん…」
水内くんの言葉に、私はうなづいた。
そしてPM1:00
試合開始のサイレンが鳴る。
ウウゥゥ―――……
県予選大会決勝戦
桜川高 × 杉崎高
先攻は杉崎高
先発は野々村
桜川は後攻となった
もちろん先発は本道だ
カイがマウンドの土を蹴る。
そしてボールを握りしめたまま、カイは桜川スタンドを見る。
えっ…?こっち見た?
でも、さすがに今日は生徒もいっぱいいるし
、気づくわけ…ないよね?
「すごいね?彼は…」
「えっ?」
「瞬発力も良ければ、動体視力もいいみたいだね?…今見たでしょ?君のこと」
「うそ…本当に私に気づいたのかな?」