ラブ×コントロール
「ふふっ…気づいてるよ、っていうか君が応援に来てる試合は必ず見てるんじゃない?」
「…あっ…」
そう言われるとそうなのかもしれない。
初めの頃はたまたまだと思ってた。
「…心当たりあるみたいだね?」
水内くんの言葉に、私は軽くうなづいた。
そして、
「プレイボール!」
試合が始まり、
カイが初球を投げ出す。
「ストライク!」
「ストライク!」
「ストライク!バッターアウト!」
先頭バッターを三振に打ち取り、桜川スタンドが沸く。
そしてカイは次のバッター、その次のバッターもそれぞれ打ち取り、あっという間にスリーアウトチェンジになる。
ワワァァ――!!
桜川スタンドの応援席が盛り上がる。
「立ち上がり、いいみたいだね?」
「うんっ」
水内くんにそう言われ、私は頷きながら答えた。
良かった…いつものカイだ
きっと、カイも昨日の夜は緊張してたかもしれないのに。