ラブ×コントロール


「ふふっ…気づいてるよ、っていうか君が応援に来てる試合は必ず見てるんじゃない?」


「…あっ…」


そう言われるとそうなのかもしれない。


初めの頃はたまたまだと思ってた。


「…心当たりあるみたいだね?」


水内くんの言葉に、私は軽くうなづいた。


そして、


「プレイボール!」


試合が始まり、
カイが初球を投げ出す。


「ストライク!」


「ストライク!」


「ストライク!バッターアウト!」


先頭バッターを三振に打ち取り、桜川スタンドが沸く。


そしてカイは次のバッター、その次のバッターもそれぞれ打ち取り、あっという間にスリーアウトチェンジになる。


ワワァァ――!!


桜川スタンドの応援席が盛り上がる。


「立ち上がり、いいみたいだね?」


「うんっ」


水内くんにそう言われ、私は頷きながら答えた。


良かった…いつものカイだ

きっと、カイも昨日の夜は緊張してたかもしれないのに。



< 278 / 364 >

この作品をシェア

pagetop