ラブ×コントロール
涙…
そして、両校チャンスを生かせず、同点のまま試合は8回まで進んだ。
8回裏の桜川の攻撃に入り、6番の一平が打席に立つ。
カキーン!
一平は野々村の投げた球を打ち返し、ヒットになった。
そして7番のカイがバッターボックスに立つ。
桜川スタンドからは逆転を願い、懸命な声援を送る。
「本道っ!本道っ!」
杉崎高の守りが後ろに下がる。
それを見て、カイはボソッと口にした。
「マジかよ…」
おまえらが思ってる程、期待に答えられる男じゃねーよっ…!!
カキーン!!
カイは思い切りバットを振った。
すると、
ボールは高くアーチを描き、レフトスタンドへのホームランになった!
入った瞬間、カイは驚きからしばらくバットを握ったまま立っていた。