ラブ×コントロール


すると耳元で、カイの声が聞こえてくる。


「宇美…おまえが好きだ……」


「………っ!!」


やっぱり…現実…。


「…聞こえたかよ?」


「…うん…」


胸が…いっぱいで…


目が…少し潤んできて……


そして、


私はカイの腕の中で小さくうなづいた。


カイの言い方はいつもと一緒だけど、私には優しく聞こえた。


私も……言える。


「私も…ずっと好きだった……カイのこと」


少し涙声で言うのに私は精一杯だった。


「うん……」


カイはそれだけ言うと、 私の髪を優しくなでた…。



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