ラブ×コントロール
「宇美…」
「…うん?」
カイはそう言うと、身体を離してポケットから何かを取り出した。
「ほら、約束の品だっ」
カイがポケットから取り出したのはボールだった。
あっ…!
これって…ウイニングボール……?
カイはいつもの無邪気な笑顔で、私にウイニングボールを渡した。
「あっ…ありがとう」
ボールを受け取ると、私は心がいっぱいになる。
本当に…優勝したんだね。
日付と優勝と書いてあるボールに、私は目をやると…とんでもない事を今さら思い出してハッとする。
「あっ!!」
「なんだよ急に?」
「あっ…ごめん、えっと…おめでとうっ」
私は両手を合わせて少し頭を下げ、カイに恐る恐る言ってみた。
「おまえ遅すぎっ、普通第一声で言えよなっ?」