ラブ×コントロール


「うん、バイバイ」


軽く手をふって、カイは電車を降りる。


どうしよう…。


その時、


ジリリリ…


電車の発車音が鳴った。


その音に、私の足が勝手に動き出した。


プシューガシャン。


ガタン…ゴトン…


電車は行ってしまった。


私は思わず降りてしまった。


そして、駅を出ようとしてるカイに駆け寄る。


「カイっ!待って!」


私の声にカイは少し驚いた顔で振り向いた。


「……ビックリした、どうしたんだよ?」


「はぁ…はぁっ―」


「おまえ、降りてきてっ…」


「ゴメン!やっぱりカイに聞きたいのっ!」


「…は?何を?」


「だから…そのっ…」


私が真剣な目でカイを見つめる中、駅には沢山の人が行き交う。


それを見てカイは、少し照れくさそうに私の手を引っ張った。




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