ラブ×コントロール
卒業試合
そして、
受験が終わり、皆の進路が決まった。
今日は、卒業式。
とうとう高校最後の日。
式が終わり、私は絵美と一緒にグラウンド前にいる。
その理由は。
「キャー!幹野くーんっ」
「本道くーん!」
黄色い悲鳴から少し離れた所で、私達は試合を見る。
グラウンドで、野球部達が3年生の為に卒業試合を開いていた。
カイの高校最後の試合。
カイは夏の試合の時の様な真剣な顔ではなく、少しリラックスしたように楽しんで野球をしていた。
「宇美、みんな楽しそうだね?」
「ねっ?」
本当に…楽しそう。
何だか少し羨ましいよ。
カイ、ずっとここで頑張ってきたんだよね?
私は、カイ達がいる見慣れたグラウンドを見つめる。
カイが、このグラウンドでする最後のピッチング。
何だか、少し思いふけるなぁ…。