ラブ×コントロール
「もう!あんたのせいで私達まで怒られたじゃないっ、行こう絵美っ」
そう言って私は絵美を呼んで帰ろうとする。
「おうっ、さっさと帰れっ」
カイも一平くんに引っ張られ、合宿所の方へと歩いて行った。
まったく…何よ個人的に応援って。
そんなの“うん”なんて言えるわけないじゃない。
可愛く…言えるわけないじゃん。
バカ。
ーー
そして、ある日の放課後。
幹野くんを見に行った絵美の帰りを待ってる間、暇になった私はこないだ掃除で入った図書館へ入ることにした。
けっこう静かで落ち着くかも…いつも周りが騒がしいからなぁ~。
そしておもむろにスポーツ本がある棚に行き、野球本を手に取ってしまう。
けど、そんな自分に気づいた私はハッと我に帰り本を戻そうとすると、
「咲原さん?」
ビックリして私が振り向くと、水内くんが立っていた。