ラブ×コントロール
あんなきれいなフォームで投げるの?アイツ。
スピードもあるし、キャッチャーミットに吸い込まれるように入ってく。
何よりも、投げてる時のアイツの眼差しに釘付けになった。
初めて見た…あんな顔。
私は不覚にも、胸がトクンッと鳴ったのを感じた。
試合中、絵美はまたキャーと騒ぎながら幹野くんを応援していたけど、
私は絵美と話すのも忘れて、カイの投球姿から目が離せなかった気がした。
そして試合が終わった途端、絵美は幹野くんの所へ走って行ってしまった。
残された私がその場にいると、 通りすがったキャッチャーの一平くんを見つけて声をかける。
「一平くんっ」
「よぅ、咲原じゃんっ、見に来てたのか?」
「うん…」
一平くんは同じクラスで、確かカイとは幼なじみって言ってた。