ラブ×コントロール


そして球場前の選手が乗り込むバスの前で、カイは杉崎高のエース野々村に声をかけられる。


「足は大丈夫か?」


「あぁ、これぐらいすぐ治るさっ」


「そうか、ぜひそうしてくれよ?そして来年も必ず勝ち進んでくれっ」


「野々村……あぁ…おまえらも必ず甲子園行けよっ」


「分かった、でも…あれがなかったらうちが点を入れられたかは分からないな」


「…どうだろうな」


「それじゃ、またっ」


「あぁ」


そして野々村は自分の学校の方へ歩いて行った。


カイは一平に支えられ、ゆっくりとバスに乗り込み、三年生に頭を下げた。


けど、三年生は誰もカイを責める事はなかった。


ここまで来れたのは本道だったからだと、肩を抱いた。


そしてカイはそのまま病院に行った。



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