ラブ×コントロール
すると、カイに突然腕を掴まれる。
「こんなとこでやるなよっ」
「えっ…何で?」
そして私はカイに引っ張られ、駅の隅のベンチに座ることになった。
…ったく何なのよ、どこだっていいじゃん。
心の中でそうつぶやくと、急に体に寒気が走った。
「クシュンッ!…あ~ヤバイ冷えたかな?」
「…ったく」
「何よ、雨降ったの私のせいっ?」
カイの言葉に私がムカついてると、スッと肩に服をかけられた。
「…えっ?」
「これで少しはマシだろ?」
カイはTシャツの上に着てたシャツを私にかけると、すぐそっぽを向いた。
「…ありがと」
自然とそんな言葉がこぼれる。
…何なのコイツ、意地が悪いのか、優しいのか分からない。
そして何故か、私達には珍しく、そのまま無言になってしまった。