テストプレイ
どこからどう見ても人間にしか見えない人に一号くん…って。ついにお父さん、可笑しくなっちゃった…


「いや、僕は博士に作られたアンドロイドだ。」


目の前の男の子、もとい一号くんが口を開いた。
その声は鈴のように美しく、透明感のある綺麗な声だった。そう、これは私の大好きな声…


「お父さん、この声って…」

「ああ。お前の好きな声優の声をモデルにしている。
どうだ。凄いだろう!!」


はっはっは、と一号くんの隣で自信たっぷりに笑うお父さん。今回ばかりはすごい発明かもしれない。


「一応、この一号くんには基礎的な感情は入っているが、その他は入っていない。
まあ、そうだとしても知らないことは脳に組み込まれたコンピューターが調べてくれるからそんなには困らないと思うがな。
でも、それだけだとまだ未完成なんだ。
父さんが目指すのは人間らしいアンドロイド。」


お父さんはビシッと私を指差す。


「お前にこの一号くんのテストプレイを行ってほしい!」

「て、テストプレイ!?」


驚きすぎて声裏返っちゃたよ。


「ああ。詳しいことは中で説明しよう。
いつまでもこうして玄関で立ち話というのもなんだしな。」
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