Butterfly



『正直・・・・もぉ、長くはないよ。』

『ッ・・嘘やろ・・』

『一年、もつかもたないかな、の』


ハッとした。
千穂の綺麗な目から零れ落ちる大粒の涙。

千穂を優しく抱き締めた。


『ヒック・・飛呂ぉ!あたし死にたくないよぉ・・ッッ』

『ぉん・・。』

『死に・・たくな・・ぃ・・』


子供のように喚く千穂を初めて見た。
俺はただ頷くことしかできんくて自分の無力さに腹がたった。



やがて千穂も落ち着いて
病院の片隅のソファに2人で腰掛けた。



『聞けてよかった。・・ありがとうな、千穂。』

『うぅん。なんか、ごめ・・ん』


言い掛けた所で千穂は突然ねむってしもうた。




千穂の寝顔をみながら
色々考えた。



俺は千穂の一番の幸せなんかな・・・?


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