Butterfly



それでも、なんとか今日まで生きてこれたのは智樹がいたから。


本当はいつか、また智樹に逢いにいこうと思ってた。


・・お父さんが、あたしを大阪に行けって言ったのはあたしを見捨てたから。

普通、余命一年の娘を自分以外のとこにおく?


笑っちゃうよね。
だから絶対、お父さんはあたしが死んでもどうも思わない。


・・本当は、自殺したい。
病気で苦しんで死ぬくらいなら、楽に逝きたい。



けど、智樹がこの世に居る限りあたしは自殺なんて絶対にできない。



どうせ、死ぬなら最期くらい本当に好きな人と結ばれたかった。



< 55 / 56 >

この作品をシェア

pagetop