よくばりな恋 〜sweet sweet Valentine〜


水炊きの材料を買ってから海斗さんのマンションに行き、荷物をキッチンに運んで貰った。

「オレ、手伝うことないやろうから風呂に入ってくるわ」

「はい、ごゆっくり」

海斗さんがキッチンを出て行くと水炊きの準備を始める。2人分だしダイニングで調理しながら食べるので大したことはしないのだけれど。


チョコレートのことが気になる。


ちはやさんが言った言葉が頭の中でぐるぐる回る。


チョコレートが食べられるかどうかちゃんと聞いておくべきだった。
初めてのバレンタインにまるで高校生みたいに浮かれて・・・・・!



自分の間抜けぶりがイヤになる。



「どないした?難しい顔して」

「海斗さん」

いつの間にかお風呂から出てきた海斗さんが目の前にいた。


「すぐにご飯にするね」


グツグツと白い湯気をあげる鍋を間にして海斗さんとテーブルにつき、ビールで乾杯をしてから食事が始まる。

海斗さんは口数は多くないし、お付き合い初心者のわたしは未だに2人きりの空間に緊張するけれど、それでも最近は居心地の良さも感じている。
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