よくばりな恋 〜sweet sweet Valentine〜
「翠、お前今日酒のペース早くないか?」
「え?」
「えらい顔が赤い。もうやめとけ」
そう言うとグラスを取り上げられた。
飲み過ぎたわたしを心配したのか、食事の後の使った食器をキッチンまで運んでくれる。
覚悟を決めないと。
自分でちゃんと頑張るって決めたんだし。
片付けを終え、ソファーでテレビのニュースを見ている海斗さんの隣に座った。
昨日、自分で作って自分でラッピングしたチョコレートを膝に置いて。
「翠?」
ラッピングのピンクの不織布を開けていく。海斗さんは何が起こっているのか分からないのかじっとわたしを見る。
箱を開けるとふわりとラムの香り。
お酒が好きな海斗さんのために少し多めにラムを入れたトリュフが4つ。
一つ手に取って自分の口に入れた。
「ごめんなさい、チョコが苦手って知らなかったから・・・・・」
海斗さんの頬を両手で挟み、暫く眺める。
今日も綺麗・・・・・。
顔を近付けてそっと唇を重ねた。
流石に舌を絡めたりは出来なくて、海斗さんの唇をぺろりと舐めてから顔を離す。
「・・・・・せめてチョコフレーバーのキスで」