なにがどうしてこうなった！？

プロローグ

｢寂しいよぉ…｣


止まってくれない涙を目の前の少し涙目の男の子が優しくぬぐってくれる。


｢大丈夫だよ。

僕はきっとここに、みさちゃんのいる所に帰ってくるから｣


強く、優しく、そう言ってくれた。

｢ほんとぉ…？｣


｢うん。だから泣かないで笑って？｣

綺麗な瞳に浮かぶ涙を拭い、懸命に私を慰める。


出会った頃は私の方がいつも慰めていた。

逆だったのに……。
溢れた涙と浮かんでくる涙を自分で拭い、笑顔をつくる。

心から笑顔になんてなれなかった。

でも、私も負けじと目の前の男の子を勇気付ける。


｢また、会おうね。やくそく！｣


これ以上ないってくらいの笑顔をつくった。


｢うん、やくそく！｣


やっと笑った私を見て安心したようで優しく笑い返してくれた。

そして、私たちは別れた。









これは私がまだ幼い頃の淡い思い出。


絶対に忘れることなく心にしまってる思い出。