なにがどうしてこうなった!?


学校につくと、学校の駐車場に6台のバスが止まっていた。

来る途中で紗綾に連絡したら、もうバスに乗っていると返信がきた。

だから、先生に出席確認をしてもらい、さっさとバスに乗り込りこむ。

紗綾を探しながらバスの中を歩くと紗綾は真ん中ら辺の窓側の席に座っていた。


「おはよー」


声をかけると窓の外を見ていた紗綾が私に気がついた。


「あ、おっはー
珍しく今日は結構余裕をもってきたんだね」


珍しいとは失礼な。

まぁ確かに毎日時間に追われて生きているけども。


「まぁね、今日は中止のメール待機民だったからさ」

「あーなるほどね」


私が早かった理由を知り、どうやら納得したようだ。

そういえば、亮ちゃんはどこに座ったのかと思ったら、通路を挟んだ隣に座っていた。

学校に来る途中で、隣に座ろうと誘われたけど紗綾と座るからと断った。

まぁ通路を挟んではいるけど、これで隣に座ってることにはなってるのかな?

てゆーか、窓側空いているのに、なぜわざわざ通路側に座るんだ。ふーん……。

亮ちゃんも転校してきて結構経つんだから、いい加減友達とかつくればいいのに。

そんなことを考えつつ、紗綾と話を続ける。


「今日、中止になればよかったのに」

「この前からずっとそれ言ってる。
美咲運動系苦手だからねぇ」

紗綾は苦笑しながら言った。


「全く、いいよねぇ運動神経のいい人は余裕があってー」


紗綾は運動部で、学年のなかでも運動神経が方の人だ。

数日前から、「登山いや」と言い続ける私に
「そうかな、私はまぁまぁ楽しみだよ?」
と言ってのける強者だ。

私みたいに、たいして得意でもない人は登山なんて全く楽しみじゃないよ。

「山頂の景色綺麗だって先輩言ってたし、きっといい思い出になるよ」

「そうかなぁ」

「うん、だから一緒に頑張ろ」

まぁ来ちゃったし頑張るしかないよね……

「うん……頑張る」

諦め半分で力なく私が言うと、紗綾は
「うんうん!頑張ろう頑張ろう!」
と嬉しそうに言った。


「まぁ景色が綺麗な分……」


紗綾がなにかぼそぼそと言ってた。


「え?なんか言った?」

「ううん、なんでもない!」


ニコニコと紗綾は笑っていたが、その笑顔になぜか嫌な予感がした。

紗綾が何を言ったのかよく分からなかったが、固めた覚悟が崩れそうになる。

本当に大丈夫なのかな?

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