なにがどうしてこうなった!?
「あと5分で休憩終わりです。
各自片付けを始めて、こっちに整列してください!」
お昼を食べ終わって紗綾とダラダラとお喋りを楽しんでいると、先生の無情が声が聞こえた。
はぁ、また登んなきゃ行けないのか……。
楽しくなっていた気持ちが一気にナイーブな方に傾いた。
「もうすぐ終わりだってさ。
片付けて集合しよっか」
「うん……」
しぶしぶと片付けをして、立ち上がり歩きだそうとすると、
「こっちだよ〜」
「くっそー……おい、待て!止まれ!」
ドンッ!
「きゃっ!」
「え?」
紗綾と私の声が重なる。
鬼ごっこでもしていたのか、猛スピードで走ってくる男子が紗綾にぶつかった。
紗綾はバランスを崩し、体が大きく急な坂側に投げ出される。
「紗綾!あぶない!」
咄嗟に紗綾の腕をつかみ、力いっぱい引っ張った。
投げ出されていた紗綾の体はなんとか坂とは逆の方に傾き、落下は避けることが出来た。
良かった……。