なにがどうしてこうなった!?



どのくらい下まで来たんだろう。

倒れた自分の体を上半身だけ起こす。

自分が落ちてきたと見られる跡を目でたどっても、落下した場所は見えない。

だいぶ下の方まで落ちてしまったらしい。

途中で意識を手放し、落下した最初の方しか覚えていない。

幸い、リュックや腕がクッション材になり、大きな怪我はしてないようだ。


「連絡しないと……」


リュックからスマホを取り出し電源を入れ、連絡をしようとするも電波の状態は圏外だった。


「圏外……」

どうしよう……。

迷っていると、ポツンっと水滴が頭に落ちた。

ポツポツと数滴だった雨がだんだんと強くなりだした。

やばい、リュックの中にかっぱがあったはず。

リュックを急いで開くとそこにはちゃんとかっぱがあった。

良かった、ちゃんとあった。

昨日お母さんが持っていけって言わなかったら持って言ってなかった。

お母さんにありがとうって帰ったら言おう。

かっぱを着ると肌寒さも少し和らいだ。

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