なにがどうしてこうなった!?
とりあえず雨がしのげるところまで歩かなきゃ。
立ち上がろうと足に力を込めると左足に激痛がはしった。
「いっ……!」
左足のジャージの裾とくつ下をめくると足首が赤く腫れ上がっていた。
あーこれ、やっちゃってるな。
どうりで痛いわけだ。
でもこのまま雨が降っている中、雨に打たれ続けるのはいやだ……。
ちょうどいい所がないかと周りを見渡すと、ちょっと先に大きな木の根が屋根のようになっている場所が見えた。
左足にあまり力をかけないようになんとか立ち上がり、木などにつかまりながら少しずつ歩く。
荷物を持ちながら歩くのはキツイから歩く前に少しのお菓子など必要なものだけをジャージのポケットに入れていた。
その必要なものの一つに、幼い頃、亮ちゃんからもらったヘアゴムもある。
亮ちゃんがくれたあの日から、あのヘアゴムはお守りのようなものでいつも持ち歩いている。
怪我した足をかばいやっとの思いで目的地に着いた。
木の根が屋根だけでなく、椅子や背もたれの役割も果たしていて、雨宿りするには最適の場所だった。