なにがどうしてこうなった!?
「こっちにもいろいろあるんだよ」
「ふーん。まあいいけどさ」
探るような目線でこちらをうかがってきたと思ったら、今度は「あ」と何かを思い出したような顔をした。
「ところでお前誰と登るか決まってんの?
決まってないよな? 酒井さんしか友達いないっぽいし」
とことん失礼な奴である。
「決まっているわけじゃないけど、決めてはいる」
「どうせ、酒井さんの近くで登ってるだけだろ?」
図星ではあるが、それがどうしたんだ。
「良かったら俺とのぼろーぜ! あと俺の友達も一緒に」
「遠慮しとく」
即答すると、桐島君はケラケラと笑う。
ツボに入ったようでしばらく腹を抱えて笑っていた。
何がおかしいのか俺にはさっぱりわからないが。