なにがどうしてこうなった!?


「酒井さーん! 高橋さーん! 聞こえたら返事をしてください!」

「ここにいます!」

返事をすると、俺たちを目視してこちらに駆け寄ってくる。

名前は憶えていないが学年の先生と、今日のために呼んだガイドさんの二人がいた。

「見つけられて良かった!

酒井さんの様子はどうですか? 高橋君は怪我無い?」


美咲の様子をうかがってガイドさんが聞いてくる。

俺は美咲を下ろし、さっき確認した美咲の状態を説明しながら、美咲の様子を軽く見てもらった。


「足は骨にひびなど入ってしまっているかもしれませんが、頭などはここで見る限りは大丈夫そうですね。

救急車はもう下に呼んであるので、速く運びしょう。

酒井さんは私が運ぶので、先生は酒井さんの荷物を持ってください」


ガイドさんは先生に拾っていた美咲の荷物を預け、美咲を手早く背負い歩き出した。

それの後を俺は黙ってついていく。

この状態で俺は何もできない。

お荷物にならないように、少しスピードの速いペースに黙々と必死についていった。


< 136 / 151 >

この作品をシェア

pagetop