なにがどうしてこうなった!?
「酒井さーん! 高橋さーん! 聞こえたら返事をしてください!」
「ここにいます!」
返事をすると、俺たちを目視してこちらに駆け寄ってくる。
名前は憶えていないが学年の先生と、今日のために呼んだガイドさんの二人がいた。
「見つけられて良かった!
酒井さんの様子はどうですか? 高橋君は怪我無い?」
美咲の様子をうかがってガイドさんが聞いてくる。
俺は美咲を下ろし、さっき確認した美咲の状態を説明しながら、美咲の様子を軽く見てもらった。
「足は骨にひびなど入ってしまっているかもしれませんが、頭などはここで見る限りは大丈夫そうですね。
救急車はもう下に呼んであるので、速く運びしょう。
酒井さんは私が運ぶので、先生は酒井さんの荷物を持ってください」
ガイドさんは先生に拾っていた美咲の荷物を預け、美咲を手早く背負い歩き出した。
それの後を俺は黙ってついていく。
この状態で俺は何もできない。
お荷物にならないように、少しスピードの速いペースに黙々と必死についていった。