なにがどうしてこうなった!?
「じゃあ次あんな風に無茶するときは俺を呼んで」
はぁ?
なんであんたを呼ばなくちゃなんないの?
「いや」
即答した。
冗談じゃない。
「だめ、呼んで」
「いや」
「だめ」
「いや!」
「だめ」
……もぉ、しつっこい!
あいつの顔を睨む。
「いやって言ってんで……」
春風が吹き去っていった。
あいつの重々しい前髪をさらって。
どくんっ
胸が強く、強く鳴った。
そこには、目の前には亮ちゃんがいたから。
あの懐かしい日の必ず戻ってくると言っていた、強く優しい亮ちゃんの目が。
……あの目を見ちゃったら嫌なんて言えないじゃん。
「……わかった。
呼ぶから……連絡先……教えて」
亮ちゃんはいつものあの気持ち悪い笑顔に戻った。
さっきのは、気の……せい?
でも、確かにあの目は亮ちゃんだった。
認めたくなかったけど、こいつは本当に亮ちゃんなんだ……。