なにがどうしてこうなった!?
荷物を片付け、ゆっくりしてると
「外行ってきたら?」
「ここ結構自然がキレイらしいよ」
と、お母さんと佳代さんに言われた。
ついでに、地図も持たせられた。
早く行けと言わんばかりだ。
この強制的な感じ、デジャブだな。
校内案内を亮ちゃんにした時のことを思い出すなぁ。
「うん、じゃあ行ってくる」
私と亮ちゃんは立ち上がったが裕也は
「俺はもうちょっとゆっくりしてからいく」
と言い、外を眺めながらジュースを飲んでいた。
いい所だからか珍しく、少し楽しそうだ。
まぁ、表情筋は相変わらず働いてないが。
「あ、そう?
じゃあ行ってくる。
亮ちゃん、最初小川の方行ってもいい?」
私が聞くと、笑顔を浮かべて、
「うん、美咲ちゃんの行きたいところでいいよ」
と、言った。
最近、亮ちゃんの笑顔が気持ち悪いと思わないようになった。
ただ単に見慣れたのか、それとも……
いや、ないない。
私は思考を停止して裕也に向き直る。
「じゃあ、とりあえず小川の方に行ってるから外出たらこっち来てね」
「了解」
そして、私たちは散策へと出かけた。