なにがどうしてこうなった!?

お母さんと佳代さんの言うとうり、とてもキレイだ。

自然に癒されるってこーゆー事なんだな。

とてもキレイで、全てを浄化してくれる気がする。

「キレイだね」

隣から話しかけられ、

「う、うん」

と答える。

ちょっとたどたどしくても普通に会話はできるが、2人きりになり内心気まずかった。

この前のことがあって、亮ちゃんへは感謝の気持ちと恥づかしい気持ちが入り混じってる。

そんな思いを抱えながら歩いていると、かすかに水の流れる音が聞こえた。

「水の音が聞こえるね、もうすぐみたいだよ」

「そう、みたいだね」

木々の間に散歩コースとして舗装された道を歩くこと数分。

私たちの視界に小川が現れた。

その小川は小さいと付くだけに本当に幅2mくらいの小さな川だった。

水質はよく分からないけど、とても澄んでいて、綺麗な水なんだろうなって思った。

小川に沿って中くらいの石が並べられていた。

そーゆーところの、石の上を歩くのが好きだったりする私はもちろんその上を歩く。

「滑るよ」

「だいじょーぶ」

亮ちゃんが注意しても、私は聞く耳を持たない。

注意してれば、滑らないでしょ。

滑ったことないし。

なんて考えていると、出した右足が石を踏んだ途端にズルっと滑った。

「あ」

なんて、間抜けな声を出しながら、体はどんどん川側に傾いていく。

あぁ、こりゃ川に落ちるな。

なんて覚悟を決めていたら、腕を掴まれ引っ張られた。

川側に傾いていた体はあっという間に引き戻された。

そして、助けてくれた人の胸に抱きとめられた。

「ね、だから危ないって言ったじゃん」

息が吸えない。

それが川に落ちそうになったからか、声が近いことか分からないが。

「ありがと……」

なんで、そんなに力が強いんだろう。

なんで、私はこの人に助けられてこんなに安心してるんだろう。

なんで、体が熱いんだろう。

あーもう!

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