なにがどうしてこうなった!?

広々とした空間に大きいお風呂。

「はぁー!気持ちいー!」

とお母さんはのびのび足と腕を伸ばし、佳代さんは

「いいねぇいいねぇ!」

とニコニコしながら言っていた。


ずっと思っていたことだけど、やっぱり今日のお母さんと佳代さんはいつもよりテンションが高い。

そして、そこに今はお酒が追加され、さらにテンションが上がっている。

私はそのテンションの高さにちょくちょく置いていかれてる。

まぁ低いよりはいいのか。


「ところでさ美咲ぁ、亮くんとはどうなってんのぉ?」

いきなり横から酔っぱらいに爆弾を投下された。


「どっ!どうって……」

どうってなに?!

別にどうもこうもないよ。

私が困っていると、


「ちょっと聞かないようにしようって言ったじゃなーい!」

と、すぐに別な方から酔っぱらいが言った。

聞かないようにしようとか私たちに関して話してたんだ……。

自分たちがお母さんと佳代さんの会話のネタにされていると思うとなんだか……気まずい?

てゆーか娘をネタにしないでよ。

この場にこれ以上いるのは危険だと私の本能が言っている。

そんな時はさっさと退散するに限る。
「……私、先上がるね」

そそくさとお風呂から上がり、てくてくと歩く。


「もぉ、美咲ちゃん上がっちゃったじゃーん!
もっと色んなこと話したかったのにー」

「えぇだって気になっちゃったのよー!」

なんて会話が後ろから聞こえたが、無視だ。

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