なにがどうしてこうなった!?
さっきの帰り道での件があるから、警戒して亮ちゃんの方を見る。
その瞬間、心臓が強くドクンッと脈打つのを感じた。
私はこの時、再会してからやっと、亮ちゃんの“顔”を見た。
「星、綺麗だね」
本人はこともなげに会話を始める。
「う、うん……それはもちろん綺麗なんだ、けど………」
そう、星は本当に綺麗。
私が今まで見たどんな星空よりも綺麗だと思えた。
けど、今の亮ちゃんを見たらそんな思いも霞んでしまった。
もともと、とっても可愛かったものが、成長とともに大人の顔になっていた。
私はあの日、風になびいた髪の隙間から見た時から瞳の力強さを忘れられなかった。
変わってない優しさとそこに加わった力強さに翻弄されたあの瞳に。
……目が、離せない。
「ねぇ……なんで、顔…出してるの……?」
予想外のことに言葉がたどたどしくなってしまう。
亮ちゃんは前髪を横にとめて、目から口までしっかりと顔全体を晒していた。
再会してから今まで、1度だって顔全体を出している時はなかった。
最初、私のたどたどしさに疑問を浮かべていた。
しかし、私に“顔”のことを言われ、自分が“顔”を出していることに初めて気がついたみたいだった。