なにがどうしてこうなった!?
でも、亮ちゃんの答えは私の考えていたものと全て違った。
「ん?特に何もなかったよ」
「…………じゃあ、せめてあっちでどんな風に生活してたのか聞かせてよ。
私、引っ越してからの亮ちゃんのこと何も知らない」
私がそう言うと、亮ちゃんは少しだけ考えてから口を開いた。
「んー……引っ越してから美咲ちゃんのことを考えない日はなかった」
「嘘だ」
……だって会ってくれなかったじゃん。
話を聞きたいのに、早速話をさえぎってしまった。
「本当だよ。
会わなかったのはね、引越しの日、心の中で誓ったからなんだよ」
少しだけ感慨深そうに、昔を思い出すように亮ちゃんは話しを続けた。
「強くなるって。
強くなって、美咲ちゃんの元に戻るって。
次に美咲ちゃんに会う時は強くなった時だって」
「なにそれ、意味わかんない。
じゃあ……もしも強くなったって思えなかったら一生私に会わないつもりだったってこと?」
一生なんて大袈裟な、とは思うけど。
「いや、この時期にこの街に戻ってくるのはおおよそ決まってたんだよ。
絶対ではなかったから美咲ちゃんには言えなかったけど。
だから、そのときまでに強くなるって決めてた」
なにそれ、そんなの初めて聞いたんだけど。
確定してないことでも、可能性の話でも言ってくれればよかったのに。