なにがどうしてこうなった!?
「そう……だったんだ。
でも、あんなかっこしてるじゃん。
全然強そうに見えない!」
襲われそうになったところを助けてくれたときは、とっても強かったけど……。
「見えない」の「い」の部分だけを強く言ったからただをこねるような口調になってしまった。
そんな私に少し笑って亮ちゃんは続ける。
「強くなったよ。
強くなったけど、このままの姿で帰ってしまったら“美咲ちゃんの理想の俺”そのままか、それ以上になってしまって俺自身を見てくれないと思った」
「そんなこと……」
ない、なんて言えない。
実際私は、亮ちゃんに夢みて、帰ってきた亮ちゃんがダサいかっこをしてた時、関わらないようにしようとしてた。
「美咲ちゃんにはどんな見た目をしてても、理想の俺じゃなくて今の俺を見てほしかった」
さっきまでは柔らかい目をして星を見ていた亮ちゃんが、真っ直ぐ私を見つめる。
一瞬、その目には力が宿っていた。