なにがどうしてこうなった!?

「まあ、美咲ちゃんにも顔見られたことだし、このかっこもそろそろやめようかな。
来週からは美咲ちゃんの理想通りの“亮”になれてると思うから期待しててよ」


え、なんで?

なんで、やめちゃうの?

そりゃ、かっこいい“亮ちゃん”を見れるなんてすごく嬉しいに決まってる。

再会するまでのこの数年間めちゃくちゃ思い描いていたし。

でも、皆に亮ちゃんのかっこよさを知られるのはなんか……なんか……。


「……やだ。今はまだやめないで。
今の亮ちゃんを見ればいいんでしょ?」

今の亮ちゃんをちゃんと見るから、見れてるから。

「そんな姿の亮ちゃんのままでもいい所は昔のままで、昔より強くなったって今までのことで充分わかった」

だからさ……

「だから今はまだ戻んないで!」


まくし立てるように言ってしまった。

自分の思ったことをそのまま言ってしまったのに気づいた。

今度こそ、本当に、ただをこねてしまった。

やばいっと思い顔を上げると、目線の先の青年は嬉しそうな顔をして私を見ていた。


「なんでそんな嬉しそうな顔してんの?!」

「いや、可愛いなって思ってさ」


なにそれ、せっかく可愛いなんて滅多に言われない言葉を言われたのに、全然嬉しくない。
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