育ててくれたヒト。
プロローグ~嘘の自分~
村田梨心。
彼女は西桜中学校を受験。
見事に合格し、今日から中学校生活が始まろうとしていた。
始業式の日から周りに馴染んでいる梨心。
話し上手聞き上手でクラスメートからの評判も良い。
誰もが梨心と友達になりたかった…。
そして始業式から一週間ほど経った。
村田梨心は、
優しくて
友達想いで
頭も良くて
話をしっかり聞いてくれて
愚痴も聞いてくれて
決して人を裏切らない
周りの人はそう思っていた。
しかし梨心は考えること全てが大人目線。
上から目線、とは少し違う。
友達の味方より、親や先生などの味方をするのだ。
と言っても口には出さず、表では友達の味方をする。
梨心の考えを変えたのは小学校3年生の夏。
梨心の父親が死んでしまったのがきっかけだった。
親を大切に思う気持ち。
梨心はこの気持ちが大きくなりすぎてしまい、親、大人を貶す人全てが嫌いであった…